漆器まつりに行ってきました。
海南市黒江の川端通りで11月4日・5日と大漆器市が開かれました。
海南の黒江は古くからの漆器の産地で、当日は、産地問屋による紀州漆器の販売がありました。
このあたりの「黒江地区」では、紀州漆器を中心に生産されており、会津塗(福島県)山中塗・輪島塗(石川県)などと共に日本三大漆器と称されています。
岩出市にある根来寺では、その昔、僧侶達が寺用の膳・椀・盆・厨子などの什器を自ら作った塗物が、「根来塗」といわれるものです。黒漆で下塗りをし、その上に朱塗を塗ったところ、未熟練の僧侶の手によって作られたものであるため、使用中自然に表面の朱塗りが磨滅して下塗りの黒漆がところどころ露出しました。それがかえって趣あるものとして喜ばれたものです。
その後、秀吉が根来を攻めたさい、難を逃れた僧が、その技術・技法をもって海南市で漆工に従事したことから広まり、徳川中期頃は、紀州藩の保護のもとに相当盛大なものだったと言われています。
川端通りの北側には、昔の漆器職人の作業場や蔵が道路に面して一定の角度をもって建っているため「のこぎり歯」のような形状になっていて、また「紀州連子格子」や漆喰の真壁、切り妻の低い家が並び、昔の面影を残しています。